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2004年03月06日

PC電源選択についてのいろいろ

本家サイトのBBSに掲載したPC電源選択の話 (全9話-加筆あり) を再掲載。
いろいろあってなんだか長くなってしまったです。

●PC電源選択-1回目 (投稿日:1月21日(水)01時56分17秒)
昨年5月、SAPPHIRE RADEON 9500Proを買った。
当然これはメインPCのビデカをリプレースする目的で買ったのだが、
当時使っていたA7V333+Enermax450Wでは、ドライバーを入れた後に
なぜか再起動できず結局動かすことができなかった。

M/BをA7V600に変えて動かしてみたが、キャプチャー時にブルーバックが出る
という不具合があった。
今から考えて見ればこれは電源不足が原因だったのだと思うけど、
RADEONには昔から縁がないとあきらめ、年末にを8800円で売り払った。

年が明けての出張でAOpenのAeolus FX5900XT-DV128を買ってきた。
"ハイエンドの性能をミドルプライスで"が売りのNVIDIAの新VGAだ。
早速取り付けたところ、電源不足のアラームがでる。
しかもその表示が半端でなく、ブラクラごとく際限なくアラーム画面が出る^^;
要は"圧倒的に電源容量不足"ということだろう。
最新のではないとはいえ、Enermaxの450Wなのにねw
ところが、電源の選択にも実はいろいろあったのだった。
(つづく)


●PC電源選択-2回目 (投稿日:1月22日(木)00時33分44秒)
電源を選ぶにあたり、以下の手順をとった。
それなりのスペックのPCを持つユーザーだとごく一般的な手順である。
(1) 電源電卓 (自作パソコン消費電力簡易積算表) にて、容量をチェック
(2) その容量にあった電源にどのような種類のものがあるか調べる
(3) 気に入った電源を買う

まずうちのPCの場合、M/BがAsus A7V600なのだけど、いわゆる田コネクタがない。
そのため5VラインからAthlonXP 2700+(相当)のCPU電圧を供給することになり、
5900XTというVGAとあわせるとかなり強力な5V出力が必要になってくる。
またU160-SCSIのAtlas15KをはじめにHDD:4台、光学ドライブ:3台に、
ELSAのキャプチャカード、SBと意味のいないてんこ盛りPCなのでともかく電気を食う^^;

その結果電源電卓で積算されたうちのPCの必要容量はだいたい以下のようになった。
参考までに ( ) 内は、12Vの田コネクタがあった場合の容量である。
・総合出力定格:373.8W 以上 (374.9W 以上)
・3.3 + 5V 同時出力定格:200.8W 以上 (132.3W 以上)
・3.3 + 5 + 12V 同時出力定格:363.8W 以上 (364.9W 以上)
・3.3Vライン最大定格:2.5A 以上 (2.5A 以上)
・5Vライン最大定格:38.6A 以上 (24.9A 以上)
・12Vライン最大定格:13.6A (19.4A)

参考までに今まで使っていたEnermax 450Wの定格はだいたい以下のような感じ。
上記の仕様でなんとかいけるはずだけど、今までもほとんどマージンがないまま
使われていたのが想定できよう。
・総合出力定格:450W
・3.3 + 5V 同時出力定格:220W
・3.3 + 5 + 12V 同時出力定格:450W?
・3.3Vライン最大定格:35A
・5Vライン最大定格:44A
・12Vライン最大定格:15A
(つづく)


●PC電源選択-3回目 (投稿日:1月22日(木)11時26分47秒)
最低ラインが以下の条件でかつさらに余力を持たせた電源となると
かなり選択肢が狭まってくる。

<容量の最低条件> ( ) 内は田コネクタ使用時の容量
・総合出力定格:373.8W 以上 (374.9W 以上)
・3.3 + 5V 同時出力定格:200.8W 以上 (132.3W 以上)
・3.3 + 5 + 12V 同時出力定格:363.8W 以上 (364.9W 以上)
・3.3Vライン最大定格:2.5A 以上 (2.5A 以上)
・5Vライン最大定格:38.6A 以上 (24.9A 以上)
・12Vライン最大定格:13.6A (19.4A)

選定の基準はこうだ。
・電源電卓の容量から商品検索をし、それにプラスアルファの余力を考慮。
・次期M/Bを考えて5Vだけでなく12Vも余裕があるもの
・前回が450Wだっただけに気分的に500W以上がよろしい
・あんまりにもマイナーでないもので、入手性がよさそうなもの
・寿命などを考慮してあんまり安くないもの (高ければよいわけでもないが)
・SSI EPS12Vはあってもよいが、特に必要ではない
とすると以下の電源が該当することがわかった。
・ANTEC 550
・AOPEN FSP530-60GN
・Enermax EG651P-VE FMA
・SEVENTEAM ST-522HLP
・TOPOWER TOP-520 (GUPなどのOEMも含む)
・SOLDAM Varius II 500
さすがに500Wクラスになってくると、数も出ないのか値段も1万5千円はするようになる。
そんな時にワタシはSOLDAMのサイトで年末年始特価としてVarius II 500を9,980円で
売っているのは発見した。
(つづく)


●PC電源選択-4回目 (投稿日:1月24日(土)14時49分53秒)
まずここで以下の電源のスペックを整理してみよう。
総合・3/5V(W)・3/5/12V(W)・5A・12Aの順に並べるとして
現在必要なスペックは、373.8W・200.8W・363.8W・38.6A・13.6A。
スペックは電源電卓から抜粋している。

<比較検討機種>
・ANTEC True 550 - 550W・305W・530W・40A・24A (3.3V/5V/12V 独立出力)
・AOPEN FSP530-60GN - 530W・260W・508W・44A・28A
・ENERMAX EG651P-VE FMA - 550W・270W・524W・46A・24A
・SEVENTEAM ST-522HLP - 520W・220W・496W・40A・22A
・TOPOWER TOP-520 - 520W・336W・500W・52A・29A
・SOLDAM Varius II 500 - 500W・250W・473W・50A・28A

<参考>
ENERMAX EG450P - 450W・220W・不明・44A・15A (従来使用機種)
WIN-600 - 600W・300W・不明・45A・23A (のぶしゃさん推薦^^;)
一見同じような数字が見えるけど、各社微妙に味付けが違う。
SEVENTEAMは現在のENERMAX 450と3/5(W)が同じだから却下だな。
そこで目に付いたのが、SOLDAM Varius II 500の50A・28Aであった。

通常は1万5千円程度するクラスなのに、年末年始特価で9,980円だったので、
SOLDAMサイトで購入すると1/9にブツが届いた。
到着したVarius IIは鏡面加工されていて表面がピカピカである。
うーん、これが新しい電源かー。長持ちしてくれよなー・・・
ところがこれでハッピー・エンドにはならなかった^^;
(つづく)


●PC電源選択-5回目 (投稿日:1月25日(日)03時09分20秒)
電源を交換するためにまずは今まで使っていた電源をはずし、
次にVarius IIの電源から出ているコードをPCパーツに接続し始めた。
所定の場所に電源を押し込めてしまうと取り回しが悪いので、
すべてのコードを接続させたあとに電源を収納する予定であった。あった?
「予定であった」のは、なんと結果的にケースに電源が収納できなかったのである。
・・・・_| ̄|○・・・・

「規格品の電源が入らない」というのは全く想定していなかったので、
ワタシにはなんとも衝撃的であった。
力一杯押し込んでみようともしたが、それで入るというわけでもなさそうだ。
そこでVarius IIの奥行きを測ってみると約160mmあった。
今まで使っていたEnermaxは約140mmで、Varius IIの方が20mmも大きい。

ワタシの使うケースはYCC-688Aだが、決して小さなケースではない。
サーバー用ではないが、SOHO程度の小型サーバーもどきには十分使えるサイズだと思う。

そしてこれがケースを開けた側面の写真なのだけど、
"Fit Standard PS/2 Type Power Supply"と指された部分の右側のフレーム部分から
奥にへこんでいる
のがご理解いただけると思う。
このへこみ部分が中側に向かって両面からせり出しているために、奥行150mm以上の
電源が搭載できないようになっているのだ。
「なぜだ」「"Fit Standard PS/2 Type Power Supply"するのじゃないのか?」
ワタシはいろいろ調べて見ることにした。
(つづく)


●PC電源選択-6回目 (投稿日:1月25日(日)17時35分41秒)
「なぜだ」「"Fit Standard PS/2 Type Power Supply"するのじゃないのか?」
ワタシはいろいろ調べて見ることにした。
手持ちのEnermax 450が150×86×約140(奥行)mmで、
Varius II 500Wが150×86×約160(奥行)mm。
これがサイズのスタート地点だ。

まずは主要電源メーカーのPS2タイプのATX電源サイズを調べてみた。
対象はPS2タイプなのでEPS12Vなどのサーバータイプは除外してある。
・Seasonic:150×86×140(奥行)mm
・Delta:150×86×140(奥行)mm
・Enermax:150×86×140(奥行)mm
・Antec:150×86×140(奥行)mm
・Seventeam:150×86×140(奥行)mm
・SNE:150×86×140(奥行)mm
・Enhance:150×86×140(奥行)mm
・Etasis:150×86×140/160(奥行)mm
・Topower:150×86×160(奥行)mm
・不明 (サイトにサイズの記述なし)
:AcBel、PC Power & Cooling、AOPEN、SILENT KING
上記の全ての電源メーカーをカバーしているわけではないが、これだけサンプルが集まると
仮説が成立する。「PS2タイプのATX電源サイズは150×86×140(奥行)mmではないか?」

そこで、規格を制定するForm Factors org.の
"ATX12V Power Supply Design Guide Revision 1.3"を見てみると、
24Pの4.2. Physical Dimensionsの項目にサイズ規定があって、
"140 REF"との記載がある。どのように訳すか難しいところだが、
「140が好ましい」とでもいえるのだろうか。

よって、ワタシのケースは"150×86×140(奥行)mm"が入るスペースを確保することで、
"Fit Standard PS/2 Type Power Supply"をうたっているわけで、
「150×86×160(奥行)mm」のサイズが変形と言わざるを得ないという結論に達した。

また興味深い事例として、インプレスのアキバHOTLINEアスキーAKIBA2GO
サイトで紹介された
14cm角ファンを搭載するSuperFlower製電源の説明がある。
> 筐体サイズは奥行き163mm×幅150mm×高さ85.3mmで、通常のATX電源よりも
> 約2cmほど奥行きが長いため

これは、「通常のATX電源のサイズは150×86×140(奥行)mmである」と
言っているようなものだ。
なんだかすごく遠回りをしている内容みたいで申し訳なのだが、
これらはVarius II 500W 返品の外堀を埋めるに必要な情報であるのだ。
(つづく)


●PC電源選択-7回目 (投稿日:1月26日(月)03時04分17秒
で、外堀を埋める情報はわかった。
次に必要なのはVarius IIのサイズが"SOLDAM オンライン"にあるか否かだ。
いくら標準サイズの奥行きが140mmと言い張ったところで
サイトにサイズが掲載されていては反論しようがない。
ただのクレーマーになってしまう^^;
ということで、サイト内のスペックを目を皿のようにして見た。

450/500Wについては、幅150×高さ86というのはわかる。(これも非常にわかりずらいが)
また350/400Wについては、150×86×145(奥行)mmというのもわかる。
ところが450/500Wの肝心の奥行のサイズがどこにも掲載されていない。
まあ通販サイトで一般的ではない情報が目に付かないというのは
それだけでマイナスだと思うが、「表示がない」となるとそれこそ話は早い。
そこでSOLDAMにメールを書いた。詳細は省くとして論点は以下のとおり。
●理由 1:一般的なATX電源標準PS2サイズは150×86×140(奥行)mmである
●理由 2:SOLDAM ONLINEにVariusII 500のサイズ表記が一切ない
●理由 3:規格品外サイズなのに購入前の注意を促す警告表示がない
→ よって申し訳ないが返品をしたいである。
(つづく) って何か思ったよりも長く続くなあ^^;


●PC電源選択-8回目 (投稿日:1月28日(水)03時14分27秒)
結末はあっけなかった。メールを送った次の日にこのような回答があった。
> この度はお求め頂きました商品におきまして不備がございまして
> 誠に申し訳ございませんでした。
> 本件におきましては大変ご迷惑をお掛け致しました。
> つきましてはご要望を頂きましたとおり返品のご対応をさせて頂きます。

商品の不備というのはちょっと違って、あくまで商品情報の不備なんだけど、
そう書かれると商品に自信がないようにみえるぞ^^;
まあワタシとしてはまあ返品できて何よりではあったのだけどね。
ただし、返品できたとはいえ、不満な点がひとつだけある。
それは相変わらずSOLDAMのサイトにサイズの情報がないことである。
ワタシはメールで、"通販サイトなんだからちゃんと情報を書いた方がいいですよ"
との忠告をしておいた。
たまたまうちのケースがレアなのかもしれないが、サイズ情報は消費者としては
書かれて困る情報ではない。
実際のところほとんどのメーカーにはサイズ表記があるわけだし、
なんせSOLDAMの場合は通販サイトを兼ねているわけである。ところが以降も一向に
情報が追記されないまま
である。
報告漏れなのか意図的なのかわからないが、非常に残念だ。
(つづく)


●PC電源選択-9回目 (投稿日:2月4日(水)03時07分14秒)
結局以下の選択肢からワタシが買ったのは、ANTEC True 550 S-ATAタイプだ。
ENERMAX EG651Pでもよかったんだけど、2万円を超える値段が高さが気になり、
最終的にはANTEC True 550 S-ATAタイプを選んだ。
この電源はS-ATAタイプということもあり、4ピンコネクタが非常に少なくて
分岐ケーブルを使いまくったが、Aeolus FX5900XT-DV128も問題なく動くようになり、
一見落着である。
(ちなみに某巨大掲示板では地雷と噂のAopenだけど、ワタシ的には特に問題なし。
また電源総合スレではANTECな話題はご法度とされており、別スレがある。)
にしても今年前半で早くも5万円近い散財(ビデカ+電源)をしてしまった。
うむー。

Posted by nueda at 2004年03月06日 16:30 JST | ホームに戻る
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